モダニズム建築「中銀カプセルタワービル」のメタボリズム的価値を問う。
こんにちは。ざーやまです。
さてはて今回は、「中銀カプセルタワービル」について、
ブログを書いていこうと思います。
早速ですが、
中銀カプセルタワービル 1972年竣工
丹下研究室出身でもある建築家・黒川紀章の作品となり、
モダニズム建築の代表作ともいえます。
現在でも、建て替えか、保存かでの議論がかわされています。
1970年前後、世界中に広がった、
メタボリズムという、日本から発信された建築思想のムーブメント。
その代表的な建築となり、その保存価値や存在意義はとても高いです。
そもそも、メタボリズムとはなにか。
まず、建築家・菊竹清訓と黒川紀章らによって提唱された建築運動。
メタボリズムとは「新陳代謝」のことを指します。
つまり、やがて朽ち果てていく運命にある建築が自然の摂理に逆らい、
生き続けていくことにある。それこそが循環であり、新陳代謝。
そして、その建築としての寿命に人の生活に影響なく存在する、
生物が代謝を繰り返しながら成長していくように、建築や都市も有機的に変化する、
半永久的なものとしての建築物を目指すものと言えます。
建物の機能時代は住む人、使う人によって変わるのであれば、
建築の形態も変容していくべきという、
菊竹清訓の思想によるものも大きいかもしれません。
メタボリズムの建築的思想。
それを体現しているのが「中銀カプセルタワービル」である。
カプセルが空に向かって連なっており、世界で初めて実用化されたカプセル型マンション。
初期の仕様として、
・壁組込型ライティングデスク
・ソニー製のテレビジョン
・オープンリール型のレコーダー(当時最新のオーディオ機器)
・デジタル時計
・FM付ステレオアンプ etc
当時としては、近未来を想像する内装に心動いたに違いありません。
一度は住んでみてたいですよね。
新陳代謝する建築物。
このカプセル一つ一つが交換可能なユニットになっており25年毎の交換が想定されていた。
だが、実際は、建築当初から想定していた、
カプセルの増殖、カプセルの交換・追加は、一度も行われておりません。
新陳代謝されていない(笑)
ここは、まぁ置いておきましょう(笑)
モダニズムの第一人者と呼ばれた前川國男、
丹下健三、磯崎新、内井昭蔵、芦原義信といった建築家とともに、
世界に大きな影響を与えたことには、間違いないと言えます。
自分的には、コルビジェの西洋美術館が世界遺産に登録されているが、
この中銀カプセルタワーも世界遺産に登録されてもよいと思い、
こういう建物が後世に残されていくことを切に願います。
アートとしての利用されることも多く、
現在でも見学可能でツアーも開催されていたりするそうなので、
一度は行ってみる価値があるかと思います。
急遽ぱっといっても、玄関入口の警備員さんに追い出されてしまいますので笑
以上
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中銀カプセルタワービル
所在地: 〒104-0061 東京都中央区銀座8丁目16−10
建築面積: 429.51 m²
建築様式: メタボリズム
構造形式: SRC造一部S造
設計: 黒川紀章
■中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト/
http://www.nakagincapsuletower.com
■中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト(フェイスブック)/
https://www.facebook.com/NakaginCapsuleTower
■「中銀カプセルタワービル」の住宅カプセル 北浦和公園展示(さいたま市浦和区)http://www.go2park.net/photo/kitaurawa_artwork.html
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